「地方公務員の過去問ってどこにあるの?」「何を揃えればいいの?」──地方公務員試験の勉強を始めたばかりの人が、必ずといっていいほどぶつかる悩みです。
特に地方の場合、国家試験のように体系的に過去問が公開されていないため、「そもそも集め方が分からない」という不安を抱えやすいのが特徴です。

うーん……志望自治体の過去問、全然見つからない……
地方って、どうやって過去問を集めればいいんだろう……

大丈夫。地方公務員試験は“4つのルート”を組み合わせれば、必要な過去問をしっかり揃えられるよ。まずは全体像を整理しよう。
この記事では、地方公務員試験の過去問をスムーズに集めるための「4つの入手ルート」をわかりやすく紹介します。
私自身、県庁・市役所・特別区など複数の地方公務員試験を受験する中で、過去問探しに苦労した経験があり、そのときに得た知識や気づきをこの記事に反映しました。
読み終えるころには、「地方は過去問が少なくても、こうやって集めれば大丈夫なんだ」という道筋がはっきりし、安心して勉強を進められるようになるはずです。
ルート1:自治体が公開している地方公務員の過去問を拾う
地方公務員試験の対策で最初に確認すべきなのが、自治体が公式に公開している過去問です。
国家公務員試験と違い、地方公務員試験は自治体ごとに出題形式・科目・配点が大きく異なるため、まずは「自分が受ける試験がどんな形なのか」を正確に把握する必要があります。
しかし、地方公務員試験の過去問公開状況は自治体によって大きく異なります。
- 東京都のように複数年度をPDFで公開している自治体
- 特別区のように自治情報センターで大量の過去問を閲覧・コピーできる自治体
- 県庁・政令市のように一部科目のみ公開している自治体
- 地方市役所のように「閲覧のみ」「完全非公開」の自治体
このようにバラつきが大きいため、まずは志望自治体のホームページを丁寧に確認することが重要です。
■ 過去問を探すときの検索キーワード
自治体の採用ページは構造が複雑で、過去問がどこに置かれているか分かりにくいことが多いです。
以下のようなキーワードを組み合わせると、目的のページにたどり着きやすいかと思います。
- 「○○県 職員採用 過去問」
- 「○○市 職員採用 試験問題」
- 「○○市役所 採用情報 教養試験」
- 「○○市 試験情報 過去問題」
- 「○○県庁 採用 試験内容」
検索のほか、自治体のホームページから「試験情報」や「試験案内」、「募集要項」のページを探ることで過去問にたどり着けるケースも多いです。
また、過去問は試験案内PDFの末尾にひっそり添付されているケースもあるため、上記を探して過去問を見つけられない場合は、試験案内のPDFを最後まで確認してみましょう。
■ 公開されている過去問は「量」よりも「形式・レベル感」を見る
地方公務員試験は自治体ごとに形式が大きく異なります。
たとえば、
- 形式
- 科目
- 配点
- 難易度
- 出題分野の傾向
こうした“試験の設計思想”は、公開されている過去問を1年分見るだけでも十分に把握できます。
これらは勉強の方向性を決める材料になります。
そのため、「公開されているものは全て回収する」という姿勢が重要です。

とりあえず“公開されている過去問は全部拾う”って方針で動けばいいんだ。
さっそく希望自治体のホームページを探してみよう!
ルート2:市販の地方上級・市役所向け過去問題集を使う
地方公務員試験の勉強では、市販の過去問題集が実質的なメイン教材になります。
理由はシンプルで、地方公務員試験は自治体ごとの過去問が十分に揃わないため、市販本で“頻出パターン”を体系的に学ぶ必要があるからです。
地方公務員試験は、教養・専門ともに「出題形式は自治体ごとに違うが、問われる知識の根本は共通している」という特徴があります。
そのため、市販本で基礎〜応用のパターンを押さえておくと、どの自治体を受ける場合でも安定して得点できるようになります。
■ 市販本が重要な理由
地方公務員試験の過去問は、自治体によっては1〜2年分しか公開されていません。
また、公開されていても「教養のみ」「専門の一部のみ」「閲覧のみ」など、十分な演習量を確保できないケースがほとんどです。
そのため、
- 体系的に学べる教材
- 分野別にまとまっている教材
- 解説が丁寧で理解が深まる教材
として、市販本が非常に重要な役割を果たします。
特に独学者にとっては、市販本が「授業の代わり」「演習の中心」になるため、ここにしっかり投資する価値があります。
■ 定番シリーズとその特徴
地方公務員試験向けの市販本は多くありますが、代表的なシリーズは次のとおりです。
● 過去問500シリーズ
- 教養試験に強い
- スピード感を持って解きたい人向け
- 問題数が多く、演習量を確保しやすい
市役所・特別区志望の人にも相性が良いです。
● スーパー過去問ゼミシリーズ
- 教養・専門ともに対応
- 解説が丁寧で理解しやすい
- 分野別に体系的に学べる
- 地方上級〜国家一般職レベルに強い
国家公務員試験にも対応できる定番シリーズです。
● 無敵の地方公務員【上級】過去問クリア問題集
- 教養+専門をまとめて対策できる
- 地方上級向けに最適化されている
- 1冊で全体像を掴みたい人に向いている
「まず全体をざっくり把握したい」という人におすすめです。
👉 Amazonで「無敵の地方公務員【上級】過去問クリア問題集」を見る
● SPI対策本
市役所ではSPI型の教養試験を採用する自治体も多いため、
- SPI3
- SPI非言語
- 公務員型SPI
などの対策本も必要になる場合があります。
おすすめは「過去問500シリーズ」と「スーパー過去問ゼミシリーズ」です。
それぞれ特徴が違うので、一度書店で手に取って相性を確かめてみてください。

自治体ごとに形式が違っても、結局は同じ知識を問われるんだね。
市販本で基礎パターンを固めよう!
■ 市販本は「買いすぎない」ことも大事
独学者が陥りがちな失敗として、
- 同じ教養本を3〜4冊買ってしまう
- 専門科目をシリーズで揃えすぎる
- 似たような問題集を重複して買う
というケースがあります。
ここはとても大事なポイントとしてお伝えしたいのですが、例えば、
- 1冊の問題集を掘り下げて3周やる
- 3冊の問題集を一通りやる
この2つを比べたとき、結果が出る確率が高いのは圧倒的に「1冊の問題集を掘り下げて3周やる」方法です。
勉強の成果は、「理解度」×「練習量」で決まります。
3冊を浅く触るより、1冊を深く理解し、繰り返し解いて“自分の血肉にする”ほうが、得点力は確実に伸びます。
地方公務員試験は範囲が広いぶん、教材を増やすほど理解が浅くなるリスクが高いため、なおさら「1冊をやり込む」戦略が有効です。
目安としては、
- 教養:科目ごとに1〜2冊
- 専門:必要科目だけ「過去問500」か「スーパー過去問ゼミ」から数冊
- SPI型:SPI本を1冊
これくらいで十分戦えます。
ただし、“練習問題の幅を広げたい”又は“購入した問題集が自分に合わない”と感じた場合は、問題集の買い足しを検討してください。

「理解度」×「練習量」
この公式を最大化できるのは、実は“1冊を繰り返す”学習法なんです。
ルート3:国家公務員試験の問題を流用する
地方公務員試験の対策では、国家公務員試験(特に国家一般職)の過去問を“補助教材”として活用するのが一般的です。
「地方志望なのに国家の問題を使うの?」と疑問に思う人もいますが、実際には地方上級と国家一般職はレベルも形式も非常に近く、相性が良いため、国家の問題は地方対策に直結します。
地方公務員試験は自治体ごとに過去問が十分に揃わないため、国家の問題を使うことで
- 演習量の確保
- 本試験レベルの問題への慣れ
ができ、学習効率が大きく向上します。
■ なぜ地方公務員試験で国家の問題が使えるのか
理由は大きく2つあります。
● ① 地方上級と国家一般職はレベルが近い
地方上級(県庁・政令市)と国家一般職は、
- 教養の難易度
- 専門科目の深さ
- 問題文の長さ
がほぼ同じレベルで作られています。
そのため、国家一般職の問題を解くことで、地方上級の本試験に必要な“思考力”や“処理スピード”を鍛えることができます。
● ② 地方は過去問が少ないため、国家の問題で数を補う
地方公務員試験は、自治体によっては過去問が1〜2年分しか公開されていません。
そのため、国家一般職の問題を使うことで、
- 演習量
- 分野の網羅性
- 難易度の安定性
を補うことができます。
逆に、
- 地方特有の科目(地域事情など)
- 市役所のSPI型
などは国家公務員試験の過去問ではカバーできないため、別の対策が必要となります。

地方公務員試験の過去問が少なくても、国家公務員試験の過去問でカバーできるなら安心だね。国家公務員試験の過去問も調べてみよう!
👉 関連記事:「国家公務員試験 過去問の入手方法」
■ 国家公務員の過去問は「開示請求」ができる
国家一般職の過去問は、人事院公式サイトや市販本で大半をカバーできますが、公式サイトでは公開されていない古い年度の問題や、市販されていない専門系(特に技術系)の問題は、開示請求によって入手できる場合があります。
地方公務員試験では、技術系や専門科目の演習量が不足しがちになるため、必要に応じて国家公務員試験の開示請求を検討すると、演習の幅が広がります。
国家公務員試験の開示請求の具体的な手続きや注意点については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
👉 関連記事:開示請求の具体的な4ステップ
ルート4:予備校や通信教材を活用する
予備校や通信教材を使っている人は、そこでの教材がそのまま「本試験レベルの演習素材」になります。
地方公務員試験は自治体ごとに形式が異なるため、過去問だけでは十分な演習量を確保できないケースが多く、予備校等の教材はその“穴”を埋める存在として非常に有効です。
これらの教材は
- 本試験の傾向を踏まえて作られている
- 分野ごとに体系的に整理されている
- 解説が丁寧で理解が深まりやすい
- 模試の問題が本試験に近い
という特徴があり、独学では得にくい「質の高い演習」を提供してくれます。
■ 予備校(通信)教材の強み:本試験を意識した“質の高さ”
予備校(通信)教材は、単なる問題集ではありません。
講師が本試験の傾向を分析し、
- 出題頻度
- 難易度
- 典型パターン
- ひっかけの作り方
などを踏まえて作成しているため、本試験に直結する内容になっています。
特に専門科目は、
- 行政法
- 憲法
- 民法
- 経済原論
など、地方上級・国家一般職の両方に対応できるレベルで作られているため、演習素材として非常に優秀です。
市販本と比べると、
- 問題の質
- 解説の深さ
- 分野の網羅性
の面で優れていることが多く、予備校等に通っている人は積極的に活用すべきです。
■ 予備校(通信)教材は“ある人だけが使えばいい”ルート
予備校(通信)教材は、受講者にとっては非常に強力な武器です。
講義テキストや演習プリント、模試の問題は本試験の傾向を踏まえて作られており、独学では得にくい「質の高い演習」をまとめて手に入れることができます。
実際、公務員として働いていると、予備校や通信講座を利用していた人が想像以上に多いことに気づきます。意見としては、
- 「教材の質が高くて効率が良かった」
- 「迷いが少なかった」
といった声が多く、予備校教材が“合理的な選択肢”として機能していることがよく分かります。
とはいえ、予備校を使わなければ合格できないというわけではありません。
独学は確かに時間と手間がかかりますが、そのぶん自分で必要な演習量を積み上げることができるという強みがあります。
特に学生さんのように、比較的まとまった時間を確保しやすい人であれば、市販本や国家一般職の過去問を使って十分に合格ラインまで到達できます。
実際、独学で合格している人は毎年一定数いますし、時間さえ確保できれば独学は決して不利ではありません。
つまり、
- 予備校に通っている人は、教材を最大限活用すべき(合理的)
- 独学の人は、自治体が公開している過去問、市販本、国家過去問で十分対応できる
と理解してください。

予備校は効率が高い反面、どうしても費用がかかります。
独学は時間が必要ですが、費用を抑えられるのが強みです。
自分の状況に合った選択をすれば、どちらでも合格できます。
まとめ
地方公務員試験は、国家公務員試験のように体系的な過去問が揃っていないため、最初の情報収集でつまずきやすい試験です。
しかし、この記事で紹介した4つのルートを組み合わせれば、どの自治体を受ける場合でも、必要な過去問をしっかり揃えることができます。
- ルート1:自治体が公開している過去問を回収する
- ルート2:市販の地方上級・市役所向け問題集を使う
- ルート3:国家公務員試験の問題を流用する
- ルート4:予備校(通信)教材を活用する(受講者のみ)
また、過去問は、単に問題を解くための素材ではなく、
- 試験の形式を知る
- 勉強の方向性を決める
- 自分の弱点を把握する
ための“地図”のような存在です。
まずは、この記事で紹介した流れに沿って、自分の志望先に合った過去問を一つずつ集めてみてください。
必要な情報が揃えば、勉強の迷いが消え、やるべきことが自然と見えてきます。
あなたの地方公務員試験の準備が、スムーズに進むことを願っています。

大切なのは、正しい方向に向かって歩き続けることです。
過去問を集め、理解し、積み重ねていけば、必ず合格に近づきます。


