「国家公務員と地方公務員の違いがよくわからない」「公務員になりたいけれど、どちらを目指せばいいのか迷っている」──公務員を志す方の多くが最初にぶつかる悩みですが、実はポイントを押さえればその違いはとてもシンプルです。

「国家公務員」と「地方公務員」って、何が違うのか説明できないんだよな…

大丈夫。ポイントを押さえれば、国家と地方の違いはとてもシンプルに整理できるよ。
この記事では、仕事内容・働く場所・キャリア・試験制度の4つの軸から、国家公務員と地方公務員の違いをわかりやすく整理し、自分に合った進路が自然と見えてくるように解説します。
国家公務員・地方公務員の両方の試験に合格し、実際に両方の現場の人たちと関わってきた経験をもとに、受験生が迷いやすいポイントを丁寧にまとめているので、「まず何を目指すべきか」をはっきりさせたい人にとって役立つ内容になっています。
国家公務員と地方公務員の違いは「4つの軸」で整理するとわかりやすい
国家公務員と地方公務員の違いは、受験生が最初に必ずぶつかるポイントです。
「なんとなく違いはありそうだけど、どこがどう違うのかは説明できない」という人も多く、ここが曖昧なまま勉強を始めてしまうと、途中で方向性に迷ったり、併願戦略がうまく立てられなかったりします。(関連記事:「公務員試験の併願受験 戦略ガイド」)

比較の軸が決まると、情報が一気に整理しやすくなるんだね。
実際、国家と地方は“似ているようで全く別物”です。
仕事内容も働き方もキャリアの積み上げ方も違い、試験制度も大きく異なります。
そのため、まずは全体像をつかむことが、進路選びの第一歩になります。
この記事では、国家公務員と地方公務員の違いを次の 4つの軸 に分けて整理します。
- 仕事内容の違い
- 働く場所の違い
- キャリアの違い
- 試験制度の違い
この4つの軸で比較すると、国家と地方の特徴が立体的に見えてきて、「自分はどちらに向いているのか」が自然と判断できるようになります。
逆に、この4つを切り分けずに「なんとなく」で比較しようとすると、情報がバラバラに見えてしまい、違いがつかみにくくなります。

国家と地方の違いは、まず“視点の整理”から始まるよ。
また、国家公務員と地方公務員は、どちらが“良い・悪い”という話ではありません。
求められる役割が違い、向いている人のタイプも異なります。
だからこそ、あなた自身の価値観や働き方のイメージと照らし合わせながら、違いを理解することが大切です。
このあと、4つの軸それぞれについて、初心者でもイメージしやすいように具体例を交えながら解説していきます。
まずは「仕事内容の違い」から見ていきましょう。
仕事内容の違い|国全体を見るか、地域を見るか
国家公務員と地方公務員の仕事内容の最大の違いは、「扱う範囲の広さ」と「向き合う課題のスケール」にあります。国家公務員は国全体の制度づくりや調整が中心で、地方公務員は地域の課題に直接向き合うため、求められる視点や業務の進め方が大きく変わるからです。そのため、同じ「行政の仕事」でも、国家公務員は政策立案や全国調整など抽象度の高い業務が多く、地方公務員は住民サービスや地域施策など、現場に近い実務が中心になります。

同じ行政でも、国と地方自治体では見ている範囲が全然違うんだね。
この違いを理解しておくと、進路選びの判断が一気にしやすくなります。ここからは、国家と地方の仕事内容を具体的に見ていきましょう。
国家公務員の仕事内容|国全体の制度づくりと調整が中心
国家公務員の仕事は、国全体の仕組みをつくり、運用し、改善していくことが中心です。
- 法律や制度の企画・立案
- 省庁間の調整
- 全国の自治体や民間企業との連携
- 国際的な協力や交渉
- 出先機関での行政サービスの実施
特に本省勤務の場合、扱うテーマは抽象度が高く、影響範囲も広いのが特徴です。
一つの制度を変えるだけで、全国の自治体や企業、国民に影響が及ぶため、慎重な検討と多方面との調整が欠かせません。

国の制度を動かす仕事は、全国に影響が及ぶ“重さ”があるね。
また、国家公務員は「政策の方向性を決める側」に近い立場にいるため、“制度をどう設計するか”という視点が求められる仕事が多くなります。
地方公務員の仕事内容|住民に近い行政サービスが中心
一方、地方公務員の仕事は、地域の課題に向き合い、住民に直接関わる行政サービスを提供することが中心です。
- 住民票・税務・福祉などの窓口業務
- 地域のインフラ整備
- 防災・教育・子育て支援
- 地域産業の振興
- 県庁・市役所での政策立案や予算編成
地方公務員は、住民の声がダイレクトに届く距離で働くため、“地域の課題をどう解決するか”という視点が強く求められます。
同じ「政策立案」といっても、国家公務員が“国全体の制度”を考えるのに対し、地方公務員は“地域の実情に合わせた施策”を考えるという違いがあります。

地域の声がそのまま仕事に反映されるんだね。
地方公務員といっても、都道府県・市区町村・特別区・政令市など、役割はさまざまです。
それぞれの違いを整理した比較記事もあるので、進路を検討する際に役立ててください。
👉 関連記事:「地方公務員を徹底比較|都道府県・市区町村・特別区・政令市の違いをわかりやすく解説」
向いているタイプの違い
仕事内容の違いから、向いているタイプも自然と変わってきます。
- 広い視野で物事を考えるのが好き
- 抽象的な課題に取り組むのが得意
- 制度づくりや仕組みの改善に興味がある
- 全国規模の仕事に関わりたい
- 人と関わる仕事が好き
- 地域の課題を自分ごととして考えられる
- 具体的な問題解決が得意
- 住民に近い距離で働きたい

どちらが優れているという話ではなく、求められる役割が違うということです。
議会対応の違いは“現場の空気感”を大きく左右する
そして、仕事内容の違いの中でも、実際に働いてみると強く感じるのが 「議会対応の違い」 です。国家公務員は国会、地方公務員は地方議会に対応しますが、会期の長さ・開催頻度・求められる調整の範囲が大きく異なります。
- 国会:通常国会・臨時国会など、会期が長く、扱うテーマも全国規模
- 地方議会:年4回(自治体による)の定例会が中心で、地域の課題にフォーカス
受験生の段階ではイメージしづらい部分かもしれませんが、「国家と地方では、議会との向き合い方が違うんだな」と軽く頭に置いておくだけでも、働き方の雰囲気をつかむ助けになります。
議会対応の違いは、現場の空気感や仕事のリズムにも影響するため、進路を考えるうえでなんとなく知っておくと役立つポイントです。

議会のことって受験生にはイメージしづらいけど、働き方の雰囲気を知るヒントにはなりそうだね。
まとめ:仕事内容の違いは“視点の違い”
国家公務員は「国全体の制度を動かす仕事」、地方公務員は「地域の課題に向き合う仕事」。
この視点の違いが、日々の業務内容にも、働き方にも、求められるスキルにも影響してきます。
次は、仕事内容と密接に関わる 「働く場所の違い」 を見ていきましょう。
働く場所の違い|転勤の範囲と生活スタイルが変わる
国家公務員と地方公務員の働く場所の違いは、「転勤の範囲」と「勤務地の安定性」 に大きく表れます。国家公務員は全国規模で異動があり、地方公務員は自治体内での異動が中心になるため、生活スタイルやキャリアの積み上げ方に明確な差が生まれるからです。

転勤の範囲は、人生設計を考える上でとても大事だよね。
国家公務員は省庁勤務と出先機関の両方を経験することが多く、地方公務員は市役所・県庁・教育委員会など自治体内の部署をローテーションします。この違いを理解しておくと、働き方のイメージがより具体的になります。
ここからは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

国家公務員は“全国どこでも勤務の可能性あり”ってよく聞くよね。
国家公務員の勤務地|全国転勤と多様なフィールド
国家公務員の勤務地は、全国規模です。
- 霞が関の本省
- 全国の出先機関(地方整備局、税務署、労働局など)
- 特殊法人や関連機関
- 場合によっては海外出向
本省勤務と出先機関勤務では、求められる役割も働き方も大きく異なります。
- 政策立案や制度設計が中心
- 省庁間の調整が多い
- 国会対応が発生する
- 業務のスピード感が速い
- 現場に近い行政サービス
- 地域の課題に合わせた運用
- 住民や企業との接点が増える

同じ国家公務員でも、本省と出先機関では“仕事の景色”が全く違うよ。
国家公務員は、これらをローテーションしながらキャリアを積むため、「幅広い経験を積むこと」が前提の働き方になります。そのため、
- 転勤が多い
- 生活拠点が変わりやすい
- 家族の理解が必要
といった特徴がある一方で、
- 多様な地域で働ける
- 全国規模の視点が身につく
- キャリアの幅が広がる
というメリットもあります。

大変な面もあるけど、経験の幅が広がるのは魅力だね。
地方公務員の勤務地|自治体内での異動が中心
地方公務員の勤務地は、基本的に自治体内です。
- 市役所・県庁
- 支所・出張所
- 教育委員会
- 保健所
- 児童相談所
- 公共施設(図書館・体育館など)
異動はありますが、生活圏が大きく変わることはほとんどありません。
- 住民に近い距離で働く
- 地域の課題に直接向き合う
- 異動しても同じ自治体内なので生活が安定
- 家族との生活を優先しやすい

地元で働き続けたい人には、すごく安心できる働き方だね。
また、自治体によっては
- 専門部署に長く在籍する
- 地域の特性に合わせたキャリアが積める
といった特徴もあります。国家公務員と比べると、「地域に根ざした働き方」 がしやすいのが地方公務員の大きな魅力です。

“地域の専門家”としてキャリアを積めるのは地方公務員ならでは。
まとめ:働く場所の違いは“生活とキャリア”に直結する
国家公務員は全国規模で働き、“幅広い経験を積む働き方”。
地方公務員は地域に根ざし、“生活の安定と地域密着のキャリアを築く働き方”。
どちらが自分に合っているかは、
- どんな生活をしたいか
- どんな働き方を望むか
- どんなスケールで仕事をしたいか
によって変わります。

どんなキャリアを積みたいかで、向いている働き方が変わるんだね。
次は、この働く場所の違いとも深く関わる 「キャリアの違い」 を見ていきましょう。
キャリアの違い|昇進・異動・専門性の積み上げ方
国家公務員と地方公務員のキャリアの違いは、「経験の幅を広げるか」「地域に根ざして深めるか」 に集約されます。
国家は本省と出先をローテーションしながら多様な業務を経験し、地方は自治体内で地域課題に長期的に向き合うため、キャリアの積み上げ方が根本的に異なるからです。国家は制度設計と運用の両方を経験し、地方は地域密着の専門性を深める。昇進スピードや管理職の役割も大きく違います。
この違いを理解すると、働き方のイメージがより立体的になります。
国家公務員のキャリア|“幅広い経験”が前提の働き方
国家公務員のキャリアは、多様な経験を積むことが前提になっています。
本省と出先を行き来するローテーション
国家公務員は、
- 本省(政策立案)
- 出先機関(現場運用)
を数年ごとに異動しながらキャリアを積みます。このローテーションは、「制度を作る側」と「制度を運用する側」の両方を理解するための仕組みです。

制度を作る側と使う側、両方を知るのは大きな強みになりそう。
昇進スピードは比較的早く、特に総合職は、
- 20代後半〜30代前半で係長級
- 30代後半〜40代で課長補佐級
といったスピード感で昇進するケースが多いです。もちろん省庁や個人差はありますが、若いうちから大きな政策に関わるチャンスが多いのが国家公務員の特徴です。

責任も大きいけど、成長のスピードも速い働き方なんだね。
管理職になると“国会対応”が増える
国家公務員のキャリアで避けて通れないのが国会対応です。
特に本省勤務の管理職は、
- 質問取り
- 答弁作成
- 深夜の調整
などが発生しやすく、業務の負荷が高くなりがちです。ただし、これは「国家公務員が大変」という話ではなく、国全体の制度を扱う以上、求められる責任が大きいという話です。
専門性より“総合力”が求められる
国家公務員は異動の幅が広いため、
- 法律
- 経済
- 国際
- 産業
- 社会保障
など、さまざまな分野を経験することが多いです。そのため、「特定分野の専門家」より「どんな分野でも対応できる総合行政職」としてのキャリアが形成されます。
地方公務員のキャリア|“地域に根ざして深める”働き方
地方公務員のキャリアは、地域の課題に長期的に向き合うことが中心です。

地方公務員は“地域に根ざして深める”キャリアが軸になるね。
自治体内での異動が中心
地方公務員は、
- 福祉
- 税務
- 企画
- 防災
- 教育委員会
など、自治体内の部署をローテーションします。異動はありますが、生活圏が変わらないため、キャリアと生活の安定が両立しやすいのが特徴です。
専門部署に長く在籍するケースも多い
自治体によっては、
- 福祉の専門
- 防災の専門
- 都市計画の専門
など、特定分野に長く関わるケースもあります。公務員と比べると、“地域の専門家”としてキャリアを深めやすいのが地方公務員の魅力です。

一つの分野をじっくり極めたい人には向いていそう。
昇進スピードは自治体規模で大きく変わる
- 大規模自治体:競争が激しい
- 中小自治体:比較的早く管理職になれることも
ただし、どの自治体でも管理職は議会対応・予算編成が中心という点は共通しています。

自治体の規模でキャリアの進み方が変わるのは意外かも。
住民との距離が近いキャリア
地方公務員は、
- 住民の声が直接届く
- 地域の課題が“自分ごと”になる
という距離感で働くため、地域に根ざしたキャリアを積みたい人に向いています。

住民の声が仕事に直結するのは地方ならではの魅力だよ。
国家と地方のキャリアの“本質的な違い”
ここまでの内容をまとめると、キャリアの本質的な違いは次の通り。
- 広く浅く、多様な経験
- 制度設計と運用の両方を経験
- 全国規模の視点
- 昇進スピードが比較的早い(特に総合職)
- 総合力が求められる
- 深く長く、地域密着の経験
- 地域の課題に長期的に向き合う
- 生活とキャリアの安定
- 専門性を深めやすい
- 住民に近い距離で働く

国家は“広く”、地方は“深く”。この違いがキャリアの軸になるんだね。
まとめ:キャリアの違いは“働き方の価値観”で選ぶべき
国家公務員は、多様な経験を積みながら全国規模の仕事に関わるキャリア。
地方公務員は、地域に根ざし、住民に近い距離で専門性を深めるキャリア。
どちらが自分に合っているかは、
- 広い視野で働きたいのか
- 地域に根ざして働きたいのか
- 生活の安定を重視するのか
- 多様な経験を積みたいのか
といった価値観によって変わります。
次は、受験生が最も気になる「試験制度の違い」を見ていきましょう。
試験制度の違い|受験戦略が大きく変わる
国家公務員と地方公務員の試験制度の最大の違いは、「試験の種類・科目数・採用フロー」 にあります。国家は全国統一の試験制度で、地方は自治体ごとに方式が異なるため、受験計画の立て方や勉強の進め方が大きく変わります。この違いを理解しておくと、併願戦略が立てやすくなり、効率的に勉強を進められます。

最初に全体像をつかんでおくと、試験勉強の見通しや計画が立てやすそうだね。
国家公務員試験の特徴|全国統一の制度と区分
国家公務員試験は、人事院が実施する全国統一の試験です。
大卒程度試験では、総合職・一般職ともに、基本的に次のような構成になっています。
- 基礎能力試験(多肢選択式)
- 専門試験(多肢選択式)
- 専門試験(記述式)
基礎能力試験(多肢選択式)
いわゆる「教養試験」にあたる部分で、公務員として必要な基礎的な思考力や読解力などを、多肢選択式で問う試験です。
- 文章理解(現代文・英語など)
- 判断推理・数的推理・資料解釈
- 自然・人文・社会などの一般的な知識
幅広い分野から出題されるため、特定科目だけに偏らない基礎的な力が見られます。

“まんべんなく取る力”が求められるのが教養試験だよ。
専門試験(多肢選択式)
専門試験は、志望する区分ごとに内容が大きく異なります。
総合職では次のような区分があり、それぞれに対応した専門科目が出題されます。
- 人間科学
- デジタル
- 工学
- 数理科学・物理・地球科学
- 化学・生物・薬学
- 農業科学・水産
- 農業農村工学
- 森林・自然環境
行政系・技術系などの区分ごとに専門科目が設定され、志望する仕事に必要な専門知識が多肢選択式で問われます。

区分によって勉強内容がガラッと変わるんだね。
専門試験(記述式)
専門試験(記述式)は、専門分野について与えられたテーマを論理的に記述する試験です。
多肢選択式よりも一段深い理解が求められ、自分の知識や考え方を筋道立てて文章で表現できるかどうかが見られます。記述式の内容は区分によって異なり、たとえば次のような形があります。
- 法律系:判例や条文を踏まえた論述
- 経済系:理論やグラフなどを用いた説明
- 理工系:専門分野の技術的内容に関する記述
- 農学・環境系:専門領域の課題に関する論述
こうした試験を通じて、知識だけでなく「理解の深さ」や「論理的な表現力」も評価されます。

文章で説明する力も必要だから、対策の幅が広い試験なんだ。
国家公務員の3つの区分(総合職・一般職・専門職)
大きく分けると次の3つに分かれます。
大学院生や難関大の学生が多く受験する区分で、「政策のプロ」を目指す人向けの試験
- 政策立案の中核を担う
- 試験科目が多く難易度が高い
- 本省勤務が中心
- 昇進スピードが比較的早い
受験生の多くが目指す区分で、国家公務員の“王道” といえる試験
- 出先機関中心の採用
- 科目数は総合職より少ない
- 地域採用(地方採用)もある
- 本省勤務も可能だが競争は激しい
専門性を活かしたい人に向けの試験
- 特定分野に特化した採用
- 専門科目が中心
- 現場での実務が多い

国家は“どんな働き方をしたいか”で受ける区分が変わるよ。
国家公務員の採用フロー|“官庁訪問”が最大の特徴
国家公務員試験の最大の特徴は、「合格=採用ではない」 という点です。
国家の場合、
- 筆記試験に合格
- 官庁訪問(面接)
- 内々定
という流れになります。
官庁訪問は省庁ごとに行われ、
- 省庁の雰囲気(←かなり変わります)
- 業務内容
- 面接の相性
などが採用に大きく影響します。そのため、「どの省庁を受けるか」も戦略の一部 になります。


筆記に受かっても終わりじゃないのが国家の難しさだね。
地方公務員試験の特徴|自治体ごとに方式が違う
地方公務員試験は、国家と同じく教養試験+専門試験 を採用する自治体が多いですが、自治体ごとに方式が大きく異なるのが特徴です。
同じ「地方上級(大卒程度)」でも、自治体によって次のような違いがあります。
教養試験のみ(専門なし)
市役所などで増えている方式です。
- 数的処理・文章理解・社会科学などの教養科目のみ
- 専門科目の勉強が不要
- 民間就活との併願がしやすい
特に中規模〜小規模自治体で採用されることが多く、受験生にとって負担が軽いのが特徴です。
教養試験+専門試験
都道府県や政令市で多く採用される一般的な方式です。
- 国家一般職に近い構成
- 専門科目の比重が高い自治体もある
- 行政職は法律・経済が中心
国家との併願がしやすく、勉強内容も重なりやすいのがメリットです。
SPI方式(民間型試験)
近年増えているのが SPI(玉手箱など)を採用する自治体 です。
- 民間就活と同じ形式
- 数的処理・言語・性格検査が中心
- 公務員予備校の教材だけでは対応しにくい
「市役所はSPI」というケースも増えており、対策の方向性が国家とは大きく異なります。
論文・作文重視型
自治体によっては、筆記よりも 論文・面接を重視する採用方式 を採用しています。
- 論文の比重が高い
- 就活と面接回数が多い自治体もある
- 地域課題への理解が問われる
「地域への思い」「自治体の課題理解」が評価されやすく、国家とは求められる方向性が異なります。

同じ“地方上級”でも、試験の内容は自治体によって全然違うんだね。
地方公務員の採用フロー|面接重視の傾向が強い
地方公務員は、国家と違って 筆記合格=採用候補者 となるケースが多く、採用フローもシンプルです。一般的には次のような流れになります。
- 筆記試験
- 面接(1〜3回)
- 最終合格(=採用内定)
特に近年は、「人物重視」「地域への理解」 を評価する自治体が増えており、
- 志望動機
- 地域課題への理解
- コミュニケーション力
- 公務員としての適性
が採用の決め手になりやすい傾向があります。

地方は“人となり”や地域への理解がしっかり見られるんだね。
まとめ:試験制度の違いは、受験戦略そのものを左右する
国家公務員は全国統一の試験に加えて官庁訪問という独自の採用フローがあり、地方公務員は自治体ごとに試験方式が異なり、人物評価を重視する傾向が見られます。
そのため、どの科目に力を入れるか、どんな対策が必要か、面接の準備の仕方、併願のしやすさ、さらには試験日程の組み立て方まで、受験戦略が大きく変わってきます。
- 試験科目が多く、専門試験の比重が高い
- 専門試験は記述式がある区分も多い
- 合格後に官庁訪問があり、採用は省庁ごと
- 「どの省庁を受けるか」も戦略の一部になる
- 自治体ごとに試験方式が異なる
- 教養のみ/教養+専門/SPI/論文重視など多様
- 面接の比重が高い自治体が増えている
- 地域課題への理解が評価されやすい
国家と地方の試験制度を理解しておくと、勉強の優先順位や併願の組み立て方が一気に明確になります。
まずは、自分がどの方式に向いているのか、どの試験を軸にするのかを整理してみてください。方向性が定まるだけで、これからの勉強がぐっと進めやすくなります。

まずは自分に合う試験方式を選ぶところから始めてみよう。
経験者としてお伝えしたいこと
ここからは、15年以上公務員として働いてきた経験から、少しだけお伝えしたいことがあります。
多くの受験生は、国家公務員と地方公務員の違いを深く理解しないまま、両方を併願する という選択をします。国家公務員と地方公務員の併願受験は戦略として合理的ですし、私もおすすめします。受験のチャンスは広い方が良いですし、実際に受けてみることで見えてくるものもあります。
ただし──
もし両方に合格した場合は、しっかり時間をかけて進路を考えていただきたいです。
「国家公務員」と「地方公務員」、どちらを選ぶかは、今後の働き方や生活に大きく影響します。
そして、その“正解”は人によって全く異なります。
- どんな働き方をしたいのか
- どんな生活を送りたいのか
- どんな責任を担いたいのか
- どんなスケールで仕事をしたいのか
こうした価値観によって、選ぶべき道は変わります。
この記事が、その判断の一助になれば嬉しいですし、もし可能であれば、家族や先生、先輩、公務員として働いている人など、信頼できる大人にたくさん相談してみることをおすすめします。

あなたが選ぶ道が、これからの人生にとって良い方向につながることを心から願っています。

